ゴムのひび割れ原因と対策|UV・オゾン・熱劣化を防ぐ材質選定【実務事例あり】

ゴムのひび割れ原因と対策の図解 ゴム製品

「交換したばかりのゴムにひび割れが入った」「屋外で使い始めて半年で亀裂が発生した」

——こうした症状の多くは、使用環境と材質のミスマッチが原因です。

ゴムのひび割れは「素材が古くなった」だけではなく、設計段階の材質選定ミスが根本原因であるケースがほとんどです。

この記事では、ゴムがひび割れる3つの原因と、設計段階で防ぐための具体的な対策を解説します。

こんな症状で困っていませんか?

  • 表面に細かい亀裂・クラックが入る
  • 屋外で使用していたら早期に劣化した
  • 突然ゴムが破断してシールできなくなった
  • 硬くなってパッキンとして機能しない
  • 交換してもまた同じ場所でひび割れる

これらは材質と使用環境のミスマッチが原因です。

同じ場所で繰り返しひび割れる場合は、材質の見直しが必要です。

ゴムがひび割れる3つの原因

ゴムがひび割れる3つの原因と対策を解説したインフォグラフィック。①紫外線劣化(屋外・直射日光下でNBR不可→EPDMまたはCR推奨)、②オゾン劣化(モーター・電気機器・インバーター近くでNBR・シリコン不可→EPDMまたはCR推奨)、③熱劣化(60℃以上の高温環境でCR不可→シリコンまたはFKM推奨)の図解。川島産業株式会社。
原因症状発生しやすい状況使ってはいけない材質推奨材質
紫外線劣化表面に亀裂・変色・粉ふき屋外・直射日光下NBR(耐候性が極めて低い)EPDM・CR
オゾン劣化細かいクラックが多数発生モーター・電気機器・インバーターの近くNBR・シリコン(オゾン耐性低)EPDM・CR
熱劣化硬化・収縮・ひび割れ60℃以上の高温環境CR(高温に弱い)シリコン・FKM

原因①:紫外線劣化(UV劣化)

屋外で使用されるゴム部品は、紫外線(UV)による酸化劣化を受けます。

NBRは耐油性に優れますが、UV・オゾンに対して極めて弱く、屋外環境では数ヶ月でひび割れが発生します。

屋外・紫外線環境には必ずEPDMまたはCRを選んでください。

EPDMはUV・オゾン・雨水に対して最高クラスの耐性を持ちます。

原因②:オゾン劣化

モーターやインバーター、溶接機の近くではオゾンが発生します。

多くのゴムはオゾンに弱く、表面に細かいクラックが無数に発生します。

特にNBRはオゾン耐性が非常に低く、電気機器周辺での使用は避けてください。

オゾン環境にはEPDMが最適です。

CRもオゾン耐性が比較的高く、油・屋外・オゾンのバランス型として使用できます。

原因③:熱劣化

耐熱性が不足した材質を高温環境で使用すると、ゴムが硬化・収縮してひび割れます。

CRは60〜80℃程度が限界で、それ以上の温度では急速に劣化します。

60℃を超える環境にはシリコンまたはFKMを選んでください。

シリコンは-50〜200℃の広い温度範囲で安定した性能を発揮します。

実務事例|繰り返すひび割れを材質変更で解決

工業用ゴムパッキンのひび割れ実務事例3件を解説したインフォグラフィック。①屋外搬送機パッキン亀裂(NBR→EPDM変更で交換周期3倍・保全コスト削減)、②モーター周辺シールのオゾン劣化(NBR→CR変更で安定稼働)、③ヒーター周辺ゴムの熱硬化(CR→シリコン変更で長期安定稼働)のBEFORE/AFTER図解。川島産業株式会社。

事例①:屋外搬送機パッキンの亀裂(NBR→EPDM)

屋外搬送装置のパッキンにNBRを採用していたところ、約6ヶ月で表面に亀裂が発生し頻繁な交換が必要になっていました。

EPDMへ材質変更した結果、交換周期が約3倍に延長され、保全コストが大幅に削減されました。

事例②:モーター周辺シールのオゾン劣化(NBR→CR)

大型モーター近くのシール部品にNBRを使用していたところ、オゾンによる細かいクラックが多発。

CRへ変更したことで劣化が大幅に改善された事例があります。

事例③:ヒーター周辺ゴムの熱硬化(CR→シリコン)

加熱設備周辺のゴム部品にCRを使用していたところ、高温による硬化・ひび割れが発生。

シリコンへ変更後、長期安定稼働が実現されました。

ゴムのひび割れを防ぐ設計チェックリスト

工業用ゴムパッキンのひび割れ実務事例3件を解説したインフォグラフィック。①屋外搬送機パッキン亀裂(NBR→EPDM変更で交換周期3倍・保全コスト削減)、②モーター周辺シールのオゾン劣化(NBR→CR変更で安定稼働)、③ヒーター周辺ゴムの熱硬化(CR→シリコン変更で長期安定稼働)のBEFORE/AFTER図解。川島産業株式会社。

設計段階で以下を確認することで、ひび割れの大半は防げます。

  • 屋外・紫外線環境 → NBR不可。EPDMまたはCRを選ぶ
  • モーター・電気機器の近く → オゾン耐性を確認する。EPDMかCRを検討
  • 60℃以上の高温環境 → 材質の耐熱温度範囲を必ず確認する
  • 動的部品(曲げ・伸縮を繰り返す) → 動的疲労特性・引き裂き強度を確認する
  • 長期使用を想定 → 保管期間も含めた寿命設計を行う
  • 複数の環境条件が重なる → 条件を整理してから材質を選ぶ(CR・FKMが候補)

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材質別 ひび割れリスク早見表

材質別ゴムのひび割れリスク早見表(設計エンジニア向け)のインフォグラフィック。NBR(UV・オゾン耐性低・油環境は強い)、EPDM(UV・オゾン耐性高・石油には不可)、CR(温度と油のバランス型・80℃以下が目安)、シリコン(耐熱高・摺動引き裂きに弱い)、FKM(究極の耐熱・耐油・耐薬品・低温では硬化)の特性比較。川島産業株式会社。
材質UV耐性オゾン耐性耐熱性ひび割れリスクが高い環境
NBR× 低い× 低い△ 中程度屋外・モーター近く(最も危険)
EPDM◎ 高い◎ 高い○ 良好石油系油脂環境(膨潤リスク)
CR○ 良好○ 良好△ 中程度80℃以上の高温環境
シリコン○ 良好△ 中程度◎ 高い摺動・引き裂き環境(強度低め)
FKM◎ 高い◎ 高い◎ 高い低温環境(-20℃以下で硬化)

まとめ|ひび割れは設計初期に防げる

  1. 屋外・UV環境にNBRを使わない(EPDMかCRへ変更)
  2. モーター近くはオゾン耐性を確認する(EPDMかCRが基本)
  3. 高温環境は耐熱温度を必ず確認する(60℃超はシリコンかFKM)

「どの材質に変えればいいか分からない」「同じ場所でひび割れが繰り返す」という場合は、不具合の症状・使用環境をお知らせください。

川島産業の技術スタッフが原因を特定し、最適材質をご提案します。

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よくある質問(Q&A)

屋外でゴムを使う場合、何を選べばいいですか?

EPDMが第一候補です。UV・オゾン・雨水に対して最高クラスの耐性を持ちます。油にも触れる環境ならCRを検討してください。NBRは屋外使用NGです。

交換してもまた同じ場所でひび割れます。なぜですか?

使用環境に合っていない材質を使い続けているためです。材質の見直しが必要です。使用環境(屋内外・温度・接触媒体)をお知らせいただければ最適材質をご提案します。

モーターの近くで使うゴムはどれがいいですか?

オゾン耐性の高いEPDMまたはCRが適しています。NBRはオゾンに極めて弱いため、モーター近くでの使用は避けてください。

ゴムのひび割れは材質変更で本当に解決できますか?

はい。使用環境に合った材質に変更することで、ほとんどのひび割れ問題は解決できます。川島産業では材質変更後に交換周期が3倍以上に延びた事例が多数あります。

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川島産業株式会社 技術営業部

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