パッキン材質の選び方|漏れを防ぐ材質選定と設計対策【実務事例あり】

パッキン材質選定の基本を解説したインフォグラフィック。使用環境別推奨材質(油にはNBR・屋外水にはEPDM・高温150℃以上はシリコンまたはFKM)と、設計時に確認すべき3つの数値(圧縮率8〜30%・硬度70Hs・膨潤を考慮した溝設計)の図解。 ゴム製品

「パッキンを交換してもまた漏れる」「半年で硬化してシールできなくなった」

——こうしたトラブルの多くは、パッキンの材質選定ミスが原因です。

パッキンは「ゴムなら何でも同じ」ではありません。

使用環境(温度・油・水・薬品・屋内外)によって最適な材質はまったく異なります。

この記事では、現場で多い失敗事例をもとに、パッキン材質の正しい選び方を解説します。

こんなトラブルで困っていませんか?

  • パッキンから漏れが止まらない
  • 交換してもすぐにまた漏れる
  • ゴムが早期に硬化・ひび割れする
  • パッキンが膨潤して外れる
  • どの材質を選べばいいか分からない

これらはすべて材質と使用環境のミスマッチで起きています。

まず使用環境を整理することが解決への最短ルートです。

パッキン材質選定でよくある4つの失敗

  1. 使用温度を確認しないで選ぶ:耐熱不足のゴムは高温で硬化し、シール性能を失います。60℃を超える環境ではシリコンまたはFKMを検討してください。
  2. 接触する媒体(油・水・薬品)を無視する:EPDMは石油系油脂に接触すると膨潤・脱落します。油環境にはNBRまたはFKMが必要です。
  3. 屋内外を区別しない:屋外でNBRを使うと紫外線・オゾンでひび割れます。屋外ならEPDMかCRが基本です。
  4. 要求寿命を設定しない:「とりあえずゴムでいい」では早期交換が繰り返されます。使用期間から逆算して材質を選んでください。

パッキン用途別 推奨材質一覧

用途・使用環境推奨材質選定理由注意点
油圧・燃料系シールNBR耐油性が最も高くコストも低い屋外・紫外線環境には不適
屋外・水廻り・蒸気配管EPDM耐候性・耐水性・耐蒸気性に優れる石油系油脂で膨潤するため油環境不可
汎用・屋外機械設備CR耐油・耐候のバランス型強酸・芳香族溶剤には弱い
高温設備(150℃以上)シリコン広い温度範囲(-50〜200℃)で安定引き裂き・摺動には弱い
耐薬品・高温油圧FKM耐熱・耐薬品性が全材質中最高コストが高い。必要箇所に絞って使用
食品機械・医療設備シリコン食品衛生法・FDA適合品あり適合証明書の確認が必要

実務事例|パッキン交換しても漏れが止まらなかった原因

パッキン漏れを解決する材質選定の失敗事例と対策のインフォグラフィック。実務事例3件(油圧装置でEPDM→NBR変更で漏れ解消・屋外設備でNBR→EPDM変更で交換周期3倍・高温摺動部でシリコン→NBR変更で耐久性向上)と、使用環境別材質選定ガイド(油ならNBR・屋外ならEPDM・150℃以上ならシリコンまたはFKM)、推奨材質クイックリファレンス表の図解。

事例①:油圧装置でパッキンが膨潤・脱落

油圧装置のパッキンにEPDMを採用していたところ、石油系作動油に接触して膨潤・脱落が発生。NBRへ材質変更したことで漏れが完全に解消されました。EPDMは油環境には使用不可です。

事例②:屋外設備でパッキンが半年でひび割れ

屋外搬送設備のパッキンにNBRを採用していたところ、約6ヶ月で紫外線・オゾンによるひび割れが発生。

EPDMへ変更した結果、交換周期が3倍以上に延長されました。

事例③:高温設備でシリコンパッキンが切れた

スライド部品のシールにシリコンを使用していたところ、摺動による摩耗で短期間に切断。NBRへ変更することで耐久性が改善されました。

シリコンは摺動・摩擦部には不向きです。

パッキン設計の4つのチェックポイント

パッキン設計の4つのチェックポイントを解説したインフォグラフィック。①圧縮率8〜30%(過圧縮30%以上は早期へたり・8%以下は漏れ)、②硬度70Hs前後(硬すぎると追従性低下・柔らかすぎると耐圧不足)、③溝設計(幅・深さ不適切で膨潤時に逃げ場がなく破断)、④寿命設計(交換周期から逆算して材質・硬度を選定)の図解。川島産業株式会社。

材質選定だけでなく、以下の設計値も正しく設定してください。材質が正しくても設計値が間違っていると漏れの原因になります。

  1. 圧縮率(8〜30%が目安):過圧縮(30%以上)は早期劣化・へたりの原因。圧縮不足(8%以下)は漏れの原因になります。
  2. 硬度(一般的に70Hs前後):硬すぎると追従性が下がり漏れやすく、柔らかすぎると耐圧不足になります。
  3. 溝設計:溝の幅・深さが不適切だと圧縮率が狂い、膨潤時に逃げ場がなく破断する場合があります。
  4. 寿命設計:交換周期から逆算して材質・硬度を選定してください。「使えなくなったら交換」では生産停止リスクがあります。

まとめ|パッキン選定の3つの鉄則

  1. 使用環境(温度・媒体・屋内外)を最初に整理する
  2. 環境に合った材質を表から選ぶ(油→NBR、屋外→EPDM、高温→シリコン・FKM)
  3. 圧縮率・硬度・溝設計の3点をあわせて確認する

「どの材質を選べばいいか分からない」「パッキンからの漏れが止まらない」という場合は、

使用環境(温度・接触媒体・圧力)をお知らせいただければ最適材質をご提案します。

図面不要・1個から・48時間以内にご回答します。

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よくある質問(Q&A)

Q
図面がなくても相談できますか?
A

はい。使用環境・温度・接触する液体の3点を教えていただければ 材質の方向性をご提案できます。ラフスケッチ・口頭説明でも構いません。

Q
パッキンが漏れる原因は材質だけですか?
A

材質ミス以外に、圧縮率・硬度・溝設計のミスも原因になります。

材質を変えても漏れが止まらない場合は設計寸法の見直しが必要な場合があります。

Q
試作1個から対応できますか?
A

はい。1個からでも対応しています。

まず試作で実機評価し、問題がなければ量産へ移行するケースが多くあります。

Q
食品衛生法・RoHS対応のパッキンはありますか?
A

はい。食品衛生法・FDA・RoHS対応品を取り扱っています。材質証明書・規格適合証明書の発行も対応しています。


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📝 この記事の監修
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川島産業株式会社 技術営業部

Oリング・ゴム製品・工業用部品の材質選定・特注対応を
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【実績】
・創業以来、工業用ゴム部品の調達・選定を専門に対応
・年間50件以上の材質選定サポート実績
・図面不要・1個から・ラフスケッチでも対応可能
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