ゴム製品

ゴム製品

「後悔しない」ための工業用ゴム選定ガイド

「図面にゴムと書いてあるけれど、どの材質を選べばいいかわからない……」

「材質を間違えて、すぐに部品がボロボロになってしまった……」

機械設計の現場で、そんな悩みを抱える若手技術者の方は少なくありません。

ゴムは種類によって「得意なこと」と「絶対にやってはいけないこと」が驚くほどはっきりしています。

このページでは、新人の設計者・開発担当者の皆様が、自信を持って素材を選べるようになるための基礎知識をギュッと凝縮して解説します。

1.迷ったらこれ!ゴム選定の「超」基本フロー

まずは、現在の設計環境を思い浮かべてみてください。

以下のチャートに沿って進むだけで、最適なゴムの種類が見えてきます。

  • 油に触れるなら: まずは NBR。さらに高温なら FKM
  • 外で使うなら: 太陽光と雨に強い EPDM
  • 食品や医療、高温なら: 安全でタフな シリコーン
  • 条件が混ざっていて迷うなら: 万能型の CR

2.主要ゴム5種「キャラクター別」徹底解説

実務で使われるゴムの約9割は、この5種類でカバーできます。

それぞれの性格(特徴・弱点)をキャラクター図鑑で見てみましょう。

① ニトリルゴム (NBR)

「油周りの部品なら、まずはこれ」

  • 最大の特徴: 圧倒的な「耐油性」。機械油やガソリンに浸かっても平気です。
  • 主な用途: Oリング、オイルシール、ホース。
  • 注意点: 太陽光(紫外線)に極端に弱いです。外で使うとすぐにヒビ割れます。

② エチレンプロピレンゴム (EPDM)

「水・空気・太陽のストレスに負けない」

  • 最大の特徴: 抜群の「耐候性」。雨風や日光にさらされても劣化しません。
  • 主な用途: 窓枠ゴム、屋外配管パッキン、防水シート。
  • 注意点: 「油」がつくとスポンジのように膨らんでボロボロになります。

③ クロロプレンゴム (CR)

「何でもこなす頼れる万能選手」

  • 最大の特徴: 耐油・耐候・耐熱をバランス良く備え、燃えにくい。
  • 主な用途: コンベアベルト、電線被覆、ウェットスーツ。
  • 注意点: 極端な寒さに弱いです。氷点下ではカチカチに硬くなります。

④ シリコーンゴム (Si/Q)

「熱にも寒さにも強いクリーン素材」

  • 最大の特徴: 広い温度範囲(-100℃〜200℃)で使え、人体に安全。
  • 主な用途: 食品機械、医療器具、ヒーター周り。
  • 注意点: 「引き裂き」に弱いです。鋭利なものが当たると簡単に切れます。

⑤ フッ素ゴム (FKM)

「最強の性能を持つ、最後の砦」

  • 最大の特徴: 最高峰の耐熱性と耐薬品性。他のゴムが溶ける環境でも耐えます。
  • 主な用途: 化学プラント、半導体装置、エンジン内部。
  • 注意点: 価格が非常に高いです。必要な場所にだけ使うのが設計のコツ。

3.現場でよくある!失敗事例(NGリスト)

「知らなかった」では済まされない、現場での典型的な失敗例です。

設計図にサインする前に必ずチェックしてください。

  • 油圧機械の外装パッキンにNBRを使ってしまい、太陽光でヒビ割れて油漏れ。
  • 油が飛び散る場所でEPDMを使ってしまい、パッキンが膨らんで外れた。
  • 強く擦れるスライド部分にシリコーンを使い、数日でちぎれてしまった。

4.カタログが読める!ゴムの専門用語・解説図

「Hs70」って何?「へたり」ってどういうこと?そんな疑問を解消します。

  • ゴムの硬度: ぷにぷにのグミ(30度)から、カチカチのゴムハンマー(90度)まで。
  • 圧縮永久歪み(へたり): 枕がヘタるのと同じ。元に戻る力がないと、漏れの原因になります。
  • 加硫(かりゅう): クッキー生地を焼いて「弾力」を出す工程のこと。

5.設計図を引く前に!5つの確認チェックリスト

後から「材料変更で金型修正……」とならないよう、この5点だけは必ず確認してください。

  • 「敵」は何か?:温度、油、屋外使用、薬品。
  • 「隣」に何がいるか?:触れる相手(樹脂・金属)をボロボロにしませんか?
  • 「硬さ」と「寿命」:なんとなくの70度で大丈夫?
  • 「行き先」と「用途」:RoHSや食品衛生法の確認は済みましたか?
  • 「作り方」の選択:少量なら「ゴム」、大量なら「TPE(エラストマー)」。

6.【コラム】現場のゴム博士からの一言

「黒いゴムなら何でも一緒」は大間違い!見えない敵『オゾン』に気をつけろ

<span class="bold"><span class="fz-16px">ゴム博士</span></span>
ゴム博士

新人の頃によくやる失敗、それは「とりあえずNBRを選んでおく」ことだ。

安くて耐油性もある優等生だが、こいつは**「オゾン」**にめっぽう弱い。

モーターの近くや屋外でNBRを使うと、数日でカッターで切ったような亀裂が入るぞ。

屋外やモーター近くなら、迷わず EPDMCR(クロロプレン) を検討してくれ。

ゴムは生き物だ。「たかがゴム」と侮ると、痛い目を見るぞ!

7.「わからない」を解決するのが、川島産業の仕事です。

ここまで読んでも、「結局うちの製品にはどれがベストなの?」と迷うこともあるはずです。

そんな時は、迷わず私たちにご相談ください。

  • 図面がなくてもOK: 「こんな環境で、こんな風に使いたい」というお話だけで、最適な素材を提案します。
  • 1個からの試作対応: 「まずはテストしてみたい」というご要望にお応えし、小ロットの試作も承ります。
  • VA/VE提案: 「性能は維持したままコストを下げたい」というご相談にも、商社ならではのネットワークで応えます。
  • ベテランからのアドバイス: ゴムの選定ミスは、製品の信頼性を大きく損なうだけでなく、重大な事故につながることもあります。少しでも不安があれば、プロに聞くのが一番の近道です。

図面がなくても、まだ構想段階でも構いません。

経験豊富なスタッフが、最適な解決策を一緒に考えます。

※図面の機密保持(NDA)についても柔軟に対応します。

👇 新人くんも必見!ゴムの基礎を今すぐマスターする 👇

ゴム部品の少量発注、最低ロットの壁を乗り越える方法【購買担当者向け】
「作りたいモノはある、でも図面がない…」を解決!商社なのにラフ絵でOKな川島産業の開発支援体制とは?
【緊急提言】目先の「金型費」だけで海外調達を選んでいませんか?見えないコストを削減し、国内回帰でトータルコストを最適化する方法
「拭けば直る」は罠!?ゴムのベタベタ(加水分解)の正体と、設計ミスを防ぐ鉄則
ゴム製品のベタベタを解消する方法 – 使い方と予防策を徹底解説