「拭けば直る」は罠!?ゴムのベタベタ(加水分解)の正体と、設計ミスを防ぐ鉄則

漫畫タッチで描かれた、コスト優先で安易なOリング選定をしようとする若手エンジニアに、信頼性評価とリスク対策の重要性を諭す川島産業のベテラン技術者の様子。背景にはトラブルと成功の対比イメージ。 ゴム製品

1.プロローグ:現場でよくある「絶望」の瞬間

(倉庫で長期保管していたウレタン部品を取り出した新人くん)

新人社員
新人社員

うわっ!この予備パーツ、触ると指がくっつくくらいベタベタしてる……。ホコリも吸い付いて取れないし、これって洗剤で拭けば元に戻りますよね?

工場責任者
工場責任者

残念ながら、それは汚れじゃないんだ。素材そのものが**『加水分解』**を起こして、分子レベルで崩壊が始まっているサインだよ。拭いて一時的に取れたとしても、一度壊れた結合は元には戻らないんだ

2.なぜベタつく?新人が知るべき「加水分解」の罠

ゴムやプラスチックのベタつきは、単なる表面の汚れではありません。

  • 原因は「水分」と「熱」 特に**ウレタンゴム(U)**などは、空気中の水分や湿気、熱によって化学反応を起こし、分子鎖が切断されてしまいます。
  • 材選定のミス 「強度が欲しいからウレタン」と安易に選んでしまい、使用環境(多湿、水回り)の確認を怠ると、この罠にハマります。
新人社員
新人社員

でも、室内で保管してたのに……。水に浸けたわけじゃないですよ?

工場責任者
工場責任者

日本の夏のような高温多湿な環境は、ゴムにとってはそれだけで過酷なんだ。保管環境を冷暗所に保つのは基本中の基本だよ。

3.【禁じ手】アルコールで拭くのは逆効果?

ベタベタを何とかしようとして、多くの人がやってしまう失敗があります。

  • アルコール(エタノール)の罠: アルコールで拭くと一時的にベタつきは取れますが、素材によってはゴム表面をさらに劣化・硬化させるリスクがあります。
  • 根本解決にならない: 加水分解は素材の内部から進んでいるため、表面を拭くのは「骨折しているところに絆創膏を貼る」ようなものです。
新人社員
新人社員

強力な溶剤でゴシゴシ拭いたら、表面がボロボロ剥がれてきちゃいました……。これ、もう使えませんか?

工場責任者
工場責任者

シールの反発力が必要なパッキンや、精度が求められる部品なら、そのベタつきは**『寿命』**だ。機能を果たせなくなる前に、交換と、何より『次をどう選ぶか』を考えなきゃいけない。

4.次回からベタつかせない!「適材適所」の素材選定

設計段階で「加水分解」のリスクを回避するのがプロの仕事です。

  • 水・蒸気に強い素材を選ぶ: 耐水性が必要なら、**EPDM(エチレンプロピレンゴム)**などが代表的です。
  • シリコーンゴムの検討: シリコーンは耐熱・耐寒に優れ、加水分解も起こしにくいため、食品機械や医療・キッチン用品に最適です。
  • トレードオフを理解する: ただし、素材を変えると「摩耗に弱くなる」「コストが上がる」といった別の問題も出ます。そのバランスを見極めるのが設計の要です。

5.「困った」ときは、図面がなくても川島産業へ

「この部品、いつもベタベタして困るんだけど、何かいい素材ない?」 そんな漠然とした悩みこそ、私たちの出番です。

  • 開発パートナーとして: 私たちは単なる商社ではありません。お客様のラフスケッチからでも最適な素材を提案し、図面化をサポートします。
  • 技術ネットワーク: 国内外の提携工場から、使用環境(熱、油、薬品、湿気)に耐えうる「正解」をコーディネートします。
新人社員
新人社員

次はベタベタさせません!早速、今の環境を川島産業さんに伝えて相談してみます!

経験豊富なスタッフが、最適な解決策を一緒に考えます。

「※図面の機密保持(NDA)についても柔軟に対応します。」

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