配管・ホース・継手

配管・ホース・継手

【保存版】もうカタログで迷わない!新人設計者のための「配管・ホース・継手」選定の教科書

配管設計は、水、油、空気といった流体を「漏らさず」「安全に」「効率よく」運ぶための「道」を作る重要な仕事です。

しかし、いざカタログを開くと、膨大な種類の継手、謎のサイズ表記(AとかBとか)、材質の組み合わせ…と、初心者が最初に挫折しやすい分野でもあります。

この記事では、複雑に見える配管の世界を、まるでパズルを組み立てるように分かりやすく解説します。

基本となるパーツの役割、現場で必須のサイズ知識、そして失敗しない選定ルールをマスターしましょう!

第1章:パズルみたいに考えよう!継手の3つの基本「役割」

配管のパーツは星の数ほどありますが、「何をするための部品か?」という役割で分けると、実はとてもシンプルです。

大きく分けて「つなぐ」「曲げる」「分ける」の3つだけ覚えてください。

1. まっすぐ「つなぐ」(延長・接続)

管と管をまっすぐつないで延長したり、機器と接続したりするための基本パーツです。

  • ソケット (Socket) / カップリング: 同じ太さの管同士を直線でつなぎます。最も基本的な「延長コード」のような役割です。
  • ニップル (Nipple): 両端に「おねじ(外ネジ)」が切ってある短い管です。「めねじ(内ネジ)」を持つ機器同士をつなぐ接続用パーツです。
  • ユニオン (Union): 配管の途中に設置し、メンテナンス時に簡単に取り外せるようにする便利な継手です。
  • ブッシング (Bushing): 太いねじ穴に入れて、径を小さくして細い管をつなぐための「サイズ変換アダプター」です。

2.向きを「曲げる」(方向転換)

流体の進路を変えるためのカーブパーツです。

  • エルボ (Elbow): 90°または45°に曲がります。狭い場所向けの急カーブ「ショート」と、一般的な「ロング」があります。
  • ストリートエルボ: 片側が「おねじ」、もう片側が「めねじ」になっており、継手を一つ減らして省スペースで曲げられる便利なタイプです。

3.流れを「分ける」(分岐・合流)

流体のルートを増やしたり、まとめたりする分岐パーツです。

  • チーズ / ティー (Tee): その名の通り「T字型」をしています。3方向に分けたり、合流させたりします。
  • クロス (Cross): 「十字型」に4方向へ接続します。
  • ワイ (Y): アルファベットのY字型で、T字よりもなめらかに合流・分岐させたい時に使います。

第2章:「10A?3/8B?」初心者が必ずハマるサイズ表記の罠

現場で最も混乱するのがサイズ表記です。

「10Aの配管持ってきて!」と言われてカタログを見たら「3/8B」しか載っていない…なんてことは日常茶飯事です。

実は、ミリメートルベースの「A呼称」と、インチベースの「B呼称」は、実質的に同じサイズを指しています。現場では両方が混在するため、以下の早見表で脳内変換できるようにしておきましょう。

新人設計者必携:サイズ読み替え早見表

現場の職人さんはB呼称(インチ)を「〇分(ぶ)」という俗称で呼ぶことが多いので、合わせて覚えておくとスムーズです。

A呼称 (ミリ系)B呼称 (インチ系)現場での俗称・
読み方のヒント
8A1/4B1/4(ニブ / 2分)
10A3/8B3/8(サンブ / 3分)
15A1/2B1/2(ヨンブ / 4分・ハーフ)
20A3/4B3/4(ロクブ / 6分)
25A1B1インチ
32A1-1/4Bインチニブ(インチクォーター)
40A1-1/2Bインチハン(インチハーフ)
50A2B2インチ

※表記は異なりますが、例えば図面が「10A」で、実物の刻印が「3/8」でも、それは同じサイズなので接続可能です。慌てないようにしましょう。

第3章:ホースと継手の「ベストマッチ」診断チェックリスト

配管(金属管や塩ビ管)と違って、柔軟な「ホース」を選ぶ際はさらに注意が必要です。

「何となく透明なホース」で選ぶと、すぐに硬化したり破裂したりします。

以下の3つの基準で、最適なホースと継手の組み合わせを選びましょう。

CHECK 1:流体は何ですか?(材質選び)

流体の種類によっては、ホースが溶けたり硬くなったりします。

  • 水・空気: 一般的な軟質塩化ビニールホースでOK。
  • 薬品・油: 塩ビではすぐに硬化・劣化します。耐薬品性のある「フッ素樹脂ホース」や耐油性の「ポリオレフィン系ホース」を選びましょう。
  • 食品: 必ず食品衛生法に適合した専用ホースを選定してください。

CHECK 2:温度は何度ですか?(耐熱性選び)

  • ~60℃まで: 一般的な軟質塩ビホースの使用範囲内です。
  • 60℃を超える: 一般的なホースでは寿命が極端に短くなります。「シリコーンゴム」や「フッ素樹脂」など、耐熱性の高い材質が必要です。

CHECK 3:圧力はどちらですか?(構造選び)

  • 正圧(押し出す力): ポンプなどで圧力がかかる場合、破裂を防ぐために**耐圧補強糸(ブレード)**で編み上げられたホースを選びます。
  • 負圧(吸い込む力・バキューム): 吸い込み時にホースがぺちゃんこにつぶれて流路が塞がるのを防ぐため、金属や樹脂のコイルで補強された保形性の高いホースが必要です。

3.使用したい製品の種類や色、特殊な加工が必要な場合はその内容について

第4章:現場で冷や汗!よくある失敗事例と対策

最後に、初心者がやってしまいがちな失敗と、それを防ぐポイントを紹介します。

トラブル①:サイズが合わない継手を無理やり突っ込む

  • 事例: ホース内径よりも明らかに太いタケノコ継手を、力任せに無理やり差し込んだ。
  • リスク: ホースの内側が無理に広げられて傷つき、補強糸が切れてしまいます。これは早期のパンクや破裂の直接的な原因になります。
  • 対策: 必ずホース内径に適したサイズの継手を選定してください。(目安:タケノコ部はホース内径の5%アップ程度が推奨されます)

トラブル②:ホースバンドの締め付けでホースが切れた

  • 事例: 鋭利なタケノコ継手にホースを差し込み、漏れないようにホースバンドを力いっぱい締め付けた。
  • リスク: 継手の角(カド)が鋭利すぎると、締め付けた力でホースの内側が切れてしまい、そこから漏れが発生します。これでは本末転倒です。
  • 対策: ニップル部の山に適度な丸み(0.3R程度)がある継手を選ぶか、バンド締め付けが不要なホース専用継手(トヨコネクタなど)を採用して、作業者によるバラつきをなくすのが理想です。

まとめ:最適な組み合わせが、工場の安全を守る

配管やホースは、ただ「つながればいい」「入ればいい」というものではありません。

流体、温度、圧力、そしてサイズ。これらの条件に完璧にフィットした「ベストマッチ」な組み合わせこそが、液漏れなどのトラブルを防ぎ、工場の生産性と安全を守る鍵となります。

「自分の選定が合っているか不安…」という方は、ぜひお気軽に川島産業にご相談ください。

専門スタッフが最適な組み合わせをご提案します。

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